2011年 07月 10日 ( 4 )

日本酒はふつう出荷までに2回の加熱殺菌(火入)をします。

1回目は貯蔵前。

2回目は瓶詰め時。

この火入を一度も行っていないお酒を生酒といい、

貯蔵前に火入をしないお酒を生貯蔵酒、

瓶詰め時に火入を行わないお酒を生詰酒と呼んで区別しています。

また原酒は搾った酒を割水せずに瓶詰めするもので、

多くは生酒と同じで火入を一度もしていません。



搾っただけのお酒はまだ酵母が生きています。

「要冷蔵」と表記されていますが、

温度が高いと酵母が生きているのでどんどん発酵が進んでしまいます。

管理が悪いと酸化してしまうのはそのためです。



酵母は約60度で死滅します。

火入をするのは酵母を死滅させて発酵を止めるためです。

ですがこの60度の火入で約60日熟成が進むのとほぼ同義だそうです。

なので同じお酒でも火入をしたものとしていないものとでは、

日本酒度や酸度といった数値はまったく同じですが、

味わいはまったく違います。

熟成により味わいに丸みやふくらみが出てくるからです。
[PR]
by hinaijidori | 2011-07-10 23:33 | 店長のひとりごと | Trackback
生もと(きもと)とは、

日本酒の造りの技法の中でもっとも伝統的な造り方。

たいへんな労働力を必要とするため、しだいに工程を省略する手法が探究され、

明治時代に山廃もと(やまはいもと)が、

ついで速醸もと(そくじょうもと)が考案され、現在はほとんどがこの速醸もと。

一時期、生もと造りはほとんど行なわれなくなってしまいましたが、

近年の伝統再評価の流れの中でふたたび脚光を浴びつつあります。

f0051814_22575978.gif日本酒は「もろみ」を仕込む前に、まず「もと」と呼ばれる酒母で酵母を培養します。

そのとき培養をしているタンクの上蓋を開けたまま行なわざるをえないので、どうしても空気中から雑菌や野生酵母が混入してしまいます。

そのため、それらを駆逐する目的で乳酸が加えられます。

このときに、あらかじめ別に作っておいた乳酸を加えるのではなく、もともとその蔵や自然のなかに生息している天然の乳酸菌を取り込んで、それが生成する乳酸で雑菌や野生酵母を死滅・失活させるのが、生もと系(きもとけい)の酒母の造り方です。



酒母造りは大きく分けて生もと系と速醸系に、

さらに生もと系の酒母は、生もとと山廃もとに分けられます。

生もと系の酒母の中では、じつに多様な菌が次々に活動して生存競争を繰り広げます。

どのようなライバルの菌がタンクの中に同居しているか、

また生育環境のpHはどれほどか等によってそれぞれの菌の最適な生存環境が異なるため、

菌たちの勢力の序列は刻々と推移していきます。

生存競争を生き抜いた強健な酵母だけをじっくりと育て、

またその年の気候や酒米の状態などを考慮し、

最適と思われる系統だけ選抜育成してもろみの醗酵に用いることになります。

生もとにおいては、菌や酵母の生存競争が長い時間をかけて行なわれるぶん、

生き残った酵母の生命力が強いので、吟醸造りの低温環境においても、

最後までしっかりと味を出しきる特徴があります。

また醗酵中、あるいはその末期(醪末期)の死滅率は、

他の方法で培養された酵母より低いので、

死滅した酵母から溶け出す余分なアミノ酸も少なくなるので、

結果的に生もと系の酒は肌理(きめ)が細かく、まったりとした吟味を出し、

熟成させても腰が崩れない酒になるようです。

酒中で生成される酸もじつに多様で、

健全醗酵によって生成された酸はきれいな旨味の素となる一方、

不健全醗酵によって生成された酸は不快な酸味、苦味、エグ味の原因ともなります。

生もと造りが失敗すると、もろみの中にこのようなまずい酸が多くなり、

鼠渡り(ねずみわたり)と呼ばれる腐造寸前の出来上がりとなることも多いようです。



山卸(やまおろし)とは、

生もと造りの工程の一部で、半切桶(はんぎりおけ)に仕込んだ酒母に

荒櫂(あらがい)を入れて摺る作業のことで、

麹の酵素の作用で蒸米のデンプンが糖化するのを助け、

濃醇でキレの良い酒を作る目的で行なわれます。

しかし、昔から「櫂でつぶすな、麹で溶かせ」と言われるように

非常にデリケートな力加減を要する高度な技で、

しかも寒い冬の深夜に一晩中、丹念に櫂を入れ続けなければならない重労働であったので、

この山卸の作業を省略することを前提とする山卸廃止酛(山廃酛)が、

明治42年(1909年)に国立醸造試験所で開発され、今日、

「山廃づくり」として知られる技法の基礎となりました。

簡単に言えば、タンク内で生もと造りをしてしまう方法です。

できあがりや酵母の性質は生酛と変わらず、

またある程度、時間を要する山廃もとで造られるお酒は一般的に濃醇な酒質が特徴です。



現在一般化されている速醸もと造りは、明治43年に考案され、

乳酸菌に乳酸をつくらせる生酛や山廃酛に対して、

仕込む際に乳酸を加えて短期間に安全に酒母を造れます。

乳酸菌を増やして乳酸を蓄積する時間が省け速くできることから「速醸」と名付けられ、

もと造りの中で最も普及しておりどんなタイプの酒もつくれる万能型の酒母といえます。

速醸もと造りは約2週間前後かかるのに対し、

生もと造りでは35~40日間もの時間がかかるようです。
[PR]
by hinaijidori | 2011-07-10 23:05 | 店長のひとりごと | Trackback
f0051814_2215333.jpg


醸造アルコールとは、

でんぷん質物や含糖質物から醸造されたアルコールをいいます。

もろみにアルコールを適量添加すると、香りが高く「スッキリした味」となります。

さらにアルコールの添加には、

清酒の香味を劣化させる乳酸菌(火落菌)の増殖を防止するという効果もあります。

吟醸酒や本醸造酒に使用できる醸造アルコールの量は、

白米の重量の10%以下に制限されています。



添加物の問題意識が高まり、

日本酒に関してもアルコール添加を避ける風潮がありますが、(自分にもありました)

上記のようにアルコールの添加には理由があり、使用制限も明確にされています。

業界で注目を集める蔵などでもアルコール添加はされてますが、

その量は一升瓶でお猪口半量程度。

煮物で塩を一つまみ入れるようなものだそうです。

でもあえてそれを加えることで完成するお酒。

「純米」という名称がつかなくても、

それが自らが造る酒だとしている蔵元も少なくありません。

固定観念は捨て、

自らが納得した商品を提供することが私たちに求められている資質なのかもしれません。




余談ですが、

蔵元さんが教えてくれたここだけのお話。

「辛口」のお酒は「甘口」「旨口」のお酒より原価がかからず儲かるらしい。

日本酒=辛口という世の風潮は、

業界が作り出した風潮で、世間はまんまとそれに乗ってしまったらしい。

ウソかホントかは分かりませんが、、、。
[PR]
by hinaijidori | 2011-07-10 22:13 | 店長のひとりごと | Trackback

先日、「豊盃」を醸す三浦酒造㈱の三浦文仁様に

日本酒のお話を色々お伺いできたのでここにまとめます。

f0051814_21482397.jpg

平成15年10月31日に「清酒の製法品質表示基準」の一部が改正され、

平成16年1月1日から新しい基準が適用されました。

新しい基準では特に、純米酒の精米歩合に規定がなくなり、

米と米麹のみ使用であれば純米酒と表示できるようになりました。

精米歩合とは、白米のその玄米に対する重量の割合をいいます。

精米歩合60%というときには、玄米の表層部を40%削り取ることをいいます。
 
米の胚芽や表層部には、たんぱく質、脂肪、灰分、ビタミンなどが多く含まれ、

これらの成分は清酒の製造に必要な成分ですが、

多過ぎると清酒の香りや味を悪くしますので、

米を清酒の原料として使うときは精米によってこれらの成分を少なくした白米を使います。

一般家庭で食べている米は、精米歩合92%程度の白米ですが、

清酒の原料とする米は、精米歩合75%以下の白米が多く用いられています。

特に特定名称の清酒に使用する白米は、農産物検査法によって、

3等以上に格付けされた玄米又はこれに相当する玄米を精米したものに限られています。

ちなみに、以前の基準では純米酒は精米歩合70%以下と定められていました。

1%多く削るだけで費用も時間も想像以上にかかると以前耳にしたこともあります。

提供する側はしっかりとこういった知識も持ち合わせていないといけません。
[PR]
by hinaijidori | 2011-07-10 21:45 | 店長のひとりごと | Trackback

高田馬場駅前!毎朝5時まで営業! 03-3209-1535


by まるはち